2019/12/31 00:00
今年最後にご紹介するのは、1992年から1997年にかけてつくられた「Steiff-Arche」シリーズのうち、こぐまのペア。
Archeとは、フランス語で「箱舟」。そう、ノアの方舟の物語が表現されたシリーズです。このこぐまたちは1997年、シリーズ最後に登場したもので、他にゾウやキリン、ライオンや虎もペアでつくられました。
世界で8000ペアのみつくられたこのシリーズの特徴は、耳についたタグが「白地に黒」であること。この色のタグは、創業から1900年代初頭までにつくられたシュタイフのぬいぐるみと、形やサイズを全く同じにつくられたレプリカシリーズにだけ付けられています。
ちょうどノストラダムスの大予言がちまたをにぎわしていた時代。20世紀末につくられたシリーズにはどんな思いが込められているのでしょうか。このシリーズを手にしたのはどんな方だったのでしょう。
さまざまなニュースに多くの人が惑わされるのは、20余年前も今も似たようなもの。ネットの進化とともに、さまざまなものが日々変わっていくようで、実は旧約聖書の頃から、人の世というのは変わらないのかもしれません。
実は、あまり宗教は話題として好まないのですが、
時代という荒波のなかでも漕ぎ出した先には、新しい光がある。
そんなメッセージを感じて、手にしたこぐまさんたち。
彼らのつぶらな瞳に映る世界が、幸せに満ちていますようにと願います。
来年もさらに、物語のあるヴィンテージアイテムを探していきたいと思っています。来る2020年がみなさまにとって、より良いものでありますように。来年もCompositeを何卒よろしくお願いいたします。